
放課後の校舎。トイレの個室に入ると、壁の向こうから声がする——「赤い紙、青い紙、どっちがほしい?」。返事をしたらよくないことが起きる、という話を一度は聞いたことがあるはず。赤マントは、学校のトイレを舞台にした古い都市伝説で、別名「赤い紙・青い紙」とも言われます。
ここでは、赤マントがどんな流れで語られ、どこが怖いのかを、人の言葉でまとめます。最後に、似た場面に出会ったときのシンプルな対処と、早とちりを減らす「たしかめ方」も置いておきます。
まず知っておきたいこと:赤マントとは
- 舞台:学校のトイレ(個室・最奥の扉・鏡の前)。
- 合図:低い声で「赤い紙?青い紙?」などの二択を迫る。
- 前提:返事をしない、または第三の答え(必要ありません など)で離れるのが定番の読み方。
赤マントはどこで語られる?
学校・公園の公衆トイレ・古いデパートの階段横のトイレなど、人は通るけれど一人になる場所で広まりました。時間帯は放課後〜夕方。掃除のあと、個室の戸が少し開いている、照明がちらつく、換気扇の音が響く——そんな細部が“らしさ”を作ります。
赤マントの合図とパターン(赤い紙・青い紙)
- 問いかけ:「赤?青?」「赤い紙?青い紙?」の二択。たまに「白」や「黄色」などが足される版も。
- 選んだ後の結末:赤=血、青=窒息の色、白=無音…など、色に意味を結びつける語りが多い。
- 姿の描写:赤いマント/仮面/覆面/鏡越しの影など。正面からは見えない設定が多い。
- 助かる型:「紙はいりません」「ここは使っています」「用務員さんを呼びます」など、二択から降りる答えで切れる版。
二択で追い込んでから、色に意味を乗せて怖さを上げるのが基本の作りです。
赤マントが怖い理由
密室+不意打ちの声。個室は逃げ場が少なく、声に返事をしたくなる場です。静かな時ほど効きます。
二択の罠。赤か青、どちらか選べと言われると、第三の選択肢を忘れがち。自由度が狭くなり、焦りが出ます。
色の連想。赤=血、青=窒息や青ざめ、白=無機質……。色は感情に直結するため、短い言葉でも強く残ります。
学校の“影”の場所。トイレ掃除、鏡、最後の個室。トイレの花子さんと同じく、日常の端にある静けさが土壌になります。口裂け女のような追跡ではなく、こちらは問答で縛る型です(質問で縛る点はカシマさんに近い)。
赤マントはどう広まった?
戦前〜昭和の学校怪談として各地に広がり、のちに雑誌・テレビ・マンガ・掲示板で再演。名前や結末は地域で変わっても、二択→色の連想→密室という骨は変わりません。最近は朗読動画や短編ドラマで、鏡越しの演出がよく使われます。
赤マントのたしかめ方
- 二択からいったん降りる。「紙はいりません」「すみません使用中です」で思考の余白を作る。
- 音の候補を出す。換気扇・配管・廊下の話し声の反響・個室越しのスマホ通話など、音の元を想像しておく。
- 鏡は鏡として見る。縁の欠け・水滴・曇り。生活の痕跡を見つけると落ち着きます。
- 時間を挟む。その場で結論を出さない。明るい時間に思い出すと輪郭が変わります。
赤マントに似た場面の対処法(学校・公共施設)
- 返事を急がない。声がしても、まず深呼吸。会話の主導権を取り戻す。
- 場所を変える。個室から出て、鏡のない洗面側→廊下→人のいる場所へ移動。
- 誰かに声をかける。近くの友人や先生、用務員さんに一言伝える。
- 夜の単独利用を避ける。遅い時間はできるだけ複数で。
赤マントは今わかっていること(要点まとめ)
- どこ:学校や公衆トイレなど“個室+静けさ”の場所。
- 読みどころ:二択で縛る、色の連想、密室の声。
- 読み方:二択から降りる/音の候補を出す/鏡を“現実”に戻す/時間を挟む。
赤マントのよくある勘違いと注意点
- 「正解の色」が一つだけあるとは限りません。地域や話者で結末は変わります。
- 花子さん=赤マントではありません。花子さんは“現れる存在”、赤マントは問答で縛る話が中心。
- トイレでの撮影・悪ふざけはトラブルの元。マナーとルールを優先に。
よくある質問(FAQ)
Q. どの答えなら助かる?
A. 版によって違います。共通して役に立つのは、二択から降りる返事(紙はいりません/後でにしてください など)です。
Q. 実在するの?
A. 実在は未確認です。二択→色の連想→密室の構造が長く生き残っている、と見るのが無難です。
Q. 似た話は?
A. トイレの花子さん、カシマさん(質問の怪談)など。口裂け女は追跡型で、型が違います。
まとめ
赤マントは、二択で足を止めるタイプの学校怪談です。色の連想と密室の声だけで、短いのに強い怖さが立ち上がります。正体当てより、読み方と動き方。二択から降り、場所を変え、明るい時間に振り返る。物語は物語として楽しみながら、現実では自分のペースを守ればそれで十分です。
※学校・公共施設ではマナーと安全を最優先に。迷惑行為や撮影トラブルに気をつけましょう。

