カシマさんとは?“質問に答えさせる”怖さと対処法

夜の学校。トイレに行く途中、廊下の角で足が止まる。背中側から誰かの声がして、短い二択を投げてくる——「◯◯はどこへ行った?」。返事を迷っているうちに、声は近くなる。カシマさんは、こんな「質問に答えさせる」形で語られる都市伝説です。見つめられるより、問われる。これが効きます。

ここでは、カシマさんの流れ、よく置かれる場所、怖さの芯、落ち着くための“見方”と対処法を、ていねいにたどります。途中でテケテケとの違いも短く触れます。

まず知っておきたいこと:カシマさんとは

  • 入口は質問と二択(はい/いいえ、右/左、知っている/知らない)。
  • 舞台は学校のトイレ・階段・通学路・公園の外れ。人はいるのに助けを呼びにくい帯。
  • 似た場面では立ち止まらず距離。明るいほう・人のいるほうへ移動する。

カシマさんはどこで語られる?

地名は入れ替わりますが、置かれる場面は似ています。学校のトイレ、渡り廊下の角、体育館裏、校門近くの細道、塀が続く通学路、団地と公園の境。どれも視界が切れる場所、足音がよく響く場所、夜は影が濃い場所です。時間帯は夕方〜夜。部活帰り、塾帰り、最終バスの前後に重ねられます。

カシマさんの合図とパターン(質問と二択)

  • 呼びかけ:名前、苗字、または「あのね」とだけ。振り向かせる一言。
  • 二択の連続:はい/いいえ、右/左、知っている/知らない。どちらでも不利に感じる。
  • “正解”の幻想:特定の答えだけ助かる、という設定が添えられることが多い。
  • 接近の演出:質問のたびに距離が縮む気がする。廊下の角や階段の踊り場で一気に近づく。

骨は共通しています。①呼びかけ→②二択の質問→③“正解”を強いる→④従わされる感じ。この順番で、読み手の動きを奪っていきます。

カシマさんが怖い理由

返事の反射。人は、呼ばれたり質問されたりすると、反射的に返事の準備をします。返事を考える間は、足が遅くなる。会話で速度を奪うのがまず一撃。

二択の罠。「はい/いいえ」しか無いと感じる瞬間、自由度が急に狭くなります。どちらを選んでも後悔しそうだ、という感覚自体が怖い。

権威の借景。制服・敬語・妙に丁寧な口調。“従ったほうが良い”空気が作られ、拒否が難しくなる。

夜の隙間。階段の踊り場、トイレの曲がり角、塀の続く通学路。視界が切れる場所は、距離の詰まりが強く感じられます。

テケテケとの違い(音と追跡の怪談)

テケテケ音と追跡が主、カシマさんは質問と応答が主。入口が違います。耳で迫るのがテケテケ、返事を迫るのがカシマさん。混ぜずに読むと、怖さの芯がはっきりします。

カシマさんのたしかめ方

  1. 選択肢を増やす。はい/いいえ以外に、「必要ありません」「今は話せません」など第三の返答を用意。
  2. 距離を数える。電柱や教室ドアの枚数、階段の段数でざっくり測る。数えると落ち着く
  3. 場を変える。通路から広場へ、階段から踊り場へ、トイレから廊下へ。場所替え=会話の主導権
  4. 時間を挟む。その場で結論を出さない。朝になってから振り返るだけで半分は薄まる。

似た場面の対処法

  • 立ち止まらない。返事を急がず、歩幅を保って明るいほうへ歩き続ける。
  • 人のいる場所へ。校門前、コンビニ前、駅前など、助けを呼べる地点まで動く。
  • 返答のテンプレ。「すみません、急いでいます」「安全な場所で話しましょう」。短く言って移動を続ける。
  • 一人で抱えない。怖さが続くときは家族や学校の大人に共有する。

今わかっていること

  • どこ:学校のトイレや通学路など、視界が切れやすい場所で語られる。
  • 読みどころ:質問と二択、権威の口調、距離の詰まり。
  • 読み方:選択肢を増やす/距離を数える/場所を変える/時間を挟む。

よくある勘違い

  • テケテケ=カシマさんではない。テケテケは音と追跡、カシマさんは質問と応答。
  • “正解の答え”が一つだけあるとは限らない。物語によって答えは変わる。
  • 地名が出た=実話ではない。地名は重しとして使われがち。

よくある質問(FAQ)

Q. カシマさんの“正解の答え”はある?
A. 地域や物語で答えは変わります。共通するのは、二択で足を止めさせる構造です。

Q. 実在するの?
A. 実在は未確認です。地名や制服などの“それっぽさ”で補強される話型と考えるのが無難です。

Q. 似た場面ではどうすれば?
A. 返事を急がず、明るい場所へ移動。人のいる所に出る/選択肢を増やす言い回しを用意、が基本です。

まとめ

カシマさんは、質問で足を止める怪談です。二択で自由度を削り、丁寧な口調で従わせ、角や階段で距離を詰める——この流れが、短いのに強い。正体当てより、読み方と対処法。選択肢を増やし、明るい場所へ移り、返事を急がない。分からないところは保留にして、夜道ではいつもどおりのペースで。物語は物語として楽しめばそれで十分です。

※夜の学校や私有地には立ち入らないでください。帰り道は明るいルートを選び、人のいる場所をつなぎましょう。



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