シンヤだ、夜中に来てくれたな。今日はネバダの砂漠のど真ん中にある、地図にも載らないような基地の話をしようか。グルームレイクって聞いたことあるか? 干上がった湖のほとりに、何十年も前からとんでもない施設が隠されてるって話なんだけどさ。これがまた調べれば調べるほど深いんだよ。

グルームレイク基地|ネバダ砂漠の秘密施設群の全貌

グルームレイクというのはエリア51の別名で、乾燥した塩湖の名前がそのまま使われている。基地があるのはネバダテストサイトの中で、核実験場も含む広大な軍事エリアがそのまわりに広がっている。砂漠の真ん中にこれだけの施設が集まっているのに、長い間ほとんど外には出てこなかった。

そもそも「エリア51」という呼び名がどこから来たのかというと、ネバダテストサイトを区画ごとに番号で管理していたことに由来する。周辺には10番台から60番台まで様々なエリアが存在していて、その中の「51番区画」がグルームレイク基地のことを指している。なぜ51番だったのかについては、単純に区画割りの番号だという説が有力だ。ただ、周辺の区画番号と飛んでいるところがあるため、「意図的に番号を飛ばした」という見方をする人もいる。

エリア51はいつから存在するのか

この基地の起源は1955年にさかのぼる。冷戦のまっただ中、アメリカはソ連の軍事施設を上空から偵察する必要に迫られていた。当時の飛行機は高度も速度も限界があり、ソ連の防空網に撃墜されるリスクが非常に高かった。そこでCIAと空軍が手を組み、「既存の技術をはるかに超えた航空機」を極秘で開発するプロジェクトが立ち上がった。

開発の舞台として選ばれたのが、人里離れたネバダの塩湖だった。周囲を山に囲まれた地形、ほぼ無風で安定した気候、民間人が近づきにくい立地、そして年間を通じて晴れている日が多いこと。テスト飛行に必要な条件がすべてそろっていたわけだ。1955年に滑走路の建設が始まり、翌年にはすでに試験飛行が開始されている。この速さもまた、当時の技術力と資金力の大きさを物語っている。

U-2偵察機とSR-71――世界を変えた秘密の翼

エリア51で最初に開発・テストされた機体がU-2偵察機だ。ロッキード社の「スカンクワークス」チームが設計したこの機体は、当時の常識をはるかに超えた高度2万メートル以上を飛ぶことができた。細長い主翼とグライダーのような外見が特徴で、エンジンを止めても長距離を滑空できる設計になっている。

このU-2が初めてネバダの空に姿を現したとき、近くを飛んでいた民間のパイロットたちはひどく驚いた。見たこともない形の機体が、ありえない高度を飛んでいたからだ。UFO目撃報告が急増したのはちょうどこの時期と重なっている。軍は否定も肯定もしなかった。秘密の機体の存在を隠すために「UFOです」と言うわけにもいかないし、かといって「うちの新型機です」とも言えない。沈黙するしかなかった、という事情だ。

その後、さらに高速・高高度を目指して開発されたのがSR-71ブラックバードだ。最高速度はマッハ3以上、飛行高度は2万5000メートル超。この数字は今でも世界記録として残っている。機体の表面温度は摩擦熱で300度を超えるため、通常の金属では耐えられない。チタン合金を大量に使った特殊設計で、なんとそのチタンの多くはソ連から輸入されたという話もある。冷戦の皮肉な一面だ。

SR-71もまたエリア51でテストされた。この機体が試験飛行をしていた時期、周辺住民やパイロットによるUFO目撃証言がまた急増している。シルエットが見たことのない形をしているし、速度も常識外れだ。「あれは普通の飛行機じゃない」と思われるのは当然だった。

F-117ナイトホーク――闇夜に溶けるステルスの誕生

エリア51の「隠れた主役」として外せないのが、F-117ナイトホークだ。世界初の実用ステルス攻撃機で、1970年代後半から極秘裏に開発が進められた。機体の形状は奇妙な多面体で、普通の戦闘機とはまったく似ていない。これはレーダー波を機体の各面で乱反射させることで、敵のレーダーに映る反射面積を極限まで小さくするためだ。

F-117の存在が一般に公表されたのは1988年のことで、初飛行から実に10年以上が経過していた。その間、エリア51とその周辺では「奇妙な三角形の飛行物体」の目撃証言が相次いでいた。地元住民が見た「銀色の三角形が音もなく飛んでいく」という光景は、そのままUFO目撃情報として記録されていた。

1991年の湾岸戦争でF-117は実戦デビューを飾り、イラクの防空システムをほぼ無力化した。パイロットたちは「見えない戦闘機に乗っている感覚は独特だった」と後に語っている。敵に探知されないまま目標の真上まで飛んでいける、という体験は今までの航空戦とは根本的に違う感覚だったそうだ。ステルス技術という概念そのものが、エリア51の砂漠の中から生まれた。

現在ではF-117は退役しているが、その後継技術はB-2スピリット爆撃機やF-22ラプターに引き継がれている。そしてその最新世代となるB-21レイダーも、同じ砂漠のどこかでテストを繰り返しているとみられている。ステルスの系譜はまだ続いているわけだ。

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ネバダテストサイトの歴史

1951年から1992年にかけて、このエリアでは928回もの核実験が行われた。エリア51と核実験場は場所がほぼ隣り合っていて、どちらも極端に機密レベルが高い。「何をやっているかわからない場所」が二つ並んでいるせいで、話はどんどん膨らんでいった。放射能とUFOという全然別のミステリーが、同じ砂漠の中でごちゃ混ぜになっていった感じだ。何も見せてもらえないからこそ、人は想像をやめられない。

核実験の規模は想像を超えていた。地上爆発だけでなく、地下核実験も数百回実施されている。テストサイト周辺の地下には今でも無数の空洞が残っていて、地表には核実験のクレーターがいくつも残っている。これらも衛星画像で確認できるが、実際に見ると言葉を失う光景だ。

ネバダテストサイトに隣接しているという地理的な条件が、エリア51の謎をより深くした面もある。「核実験場の隣で何かやっている」という事実は、それだけで想像力を刺激する。核エネルギーと先端技術が組み合わさったら何が生まれるか、という連想は自然だった。

ロズウェル事件とエリア51の関係

1947年、ニューメキシコ州ロズウェルで「空飛ぶ円盤が墜落した」という報告が世界を駆け巡った。最初の公式発表では「円盤を回収した」とされたが、翌日には「気象観測用の気球だった」と訂正された。この訂正の速さと内容の変わりようが、かえって疑惑を生んだ。

後の調査で、ロズウェルに落ちたのはおそらく「プロジェクト・モーグル」というソ連の核実験を監視するための気球だったと言われている。この気球は軍機密だったため、詳細を説明できなかった。「気象観測用気球」という嘘をついたのは、本当のことを言えなかったからだ。

ただ、ロズウェルとエリア51は直接の関係があるわけではない。距離も離れているし、時系列も合わない。しかし人々の意識の中では「ネバダの秘密基地=宇宙人=ロズウェル」という連想がくっついてしまっていて、今でも切り離しにくくなっている。都市伝説というのは往々にして、複数のミステリーが合流して一つの大きな話になることで育っていく。

ボブ・ラザーの衝撃的な証言

1989年、ラスベガスのテレビ局に一人の男が名乗り出た。ボブ・ラザーという人物で、彼はエリア51の南にある「S-4」と呼ばれる施設で宇宙船の逆行分析に携わっていたと主張した。

ラザーの話は具体的だった。「ディスク状の飛行物体が9機格納されていた」「推進力は重力制御によるもので、地球の技術ではない」「エレメント115という未知の元素が燃料として使われていた」といった内容だ。番組は大きな反響を呼び、世界中でエリア51への注目が一気に高まった。

ラザーの証言に対しては懐疑的な見方も多い。彼が主張するような学歴・職歴の裏付けが取れない部分があること、話の細部が時間とともに変わっている点などが指摘されている。一方で、彼が証言した「エレメント115(モスコビウム)」はその後2003年に合成・確認されており、「なぜ1989年にそれを知っていたのか」という謎が残る。

ラザーが完全な嘘つきかどうかは今でもわからない。ただ、彼の証言がエリア51という場所を「UFO研究者にとっての聖地」にしたのは間違いない。彼が出てこなければ、エリア51はここまで世界的に有名にはならなかっただろう。

実際に行ってみた人たちの話

エリア51の周囲には「エクストラテレストリアル・ハイウェイ(宇宙人街道)」と呼ばれる国道375号線が通っている。この道沿いにはUFOをテーマにした小さなホテルや食堂が点在していて、世界中の好奇心旺盛な旅行者が集まってくる。

ただ、実際に基地のゲートに近づこうとすると話は変わる。「境界線より先は立入禁止」という看板が立っていて、砂漠の中にもかかわらず、どこからともなく監視員が現れる。カメラやドローンを使って近づこうとした人が拘束・逮捕されたケースも複数報告されている。ゲートの近くで写真を撮っただけで職務質問を受けたという証言もある。

境界線の外から双眼鏡で見ると、格納庫らしい建物や滑走路の端が遠くに確認できるという。夜になると謎の光が動いているのを目撃したという人もいる。ただ、その光が何なのかは当然わからない。実験中の航空機なのか、ドローンなのか、あるいは本当に何か別のものなのか。

2019年「エリア51に突撃しよう」事件

2019年7月、Facebookに一つのイベントページが立ち上がった。「エリア51を急襲しよう、やつらは全員を止められない」というタイトルで、「ナルト走り(両手を後ろに伸ばして走る)で突撃すれば弾丸も当たらない」というジョークが添えられていた。これが世界中でバズり、参加登録者数は200万人を超えた。

米軍は珍しく公式にコメントを出し、「エリア51に侵入しようとする試みはすべて対処する準備がある」と警告した。これはほぼ初めてに近い形で軍がエリア51の存在を公式に認めた瞬間でもあった。

実際に当日、砂漠に集まった人たちは1,500人ほどだったという。大半は観光気分で、基地のゲートに近づいた人もいたが、実際に侵入しようとした人は少数で、逮捕者も数名にとどまった。ゲートの前でナルト走りをしている動画がSNSに上がり、世界中で笑いを取った。

笑い話で終わったこの事件だが、一つ重要なことがあった。アメリカ政府が正式にエリア51の存在を認め、「合法的に使用されている施設だ」と述べたのだ。長年「地図に存在しない基地」とされてきた場所が、ここで初めて公式に認められた瞬間だった。

機密解除された文書が語ること

2013年、CIAが機密解除した文書の中にエリア51が明確に記述されていた。文書にはU-2やA-12(SR-71の前身)などの偵察機開発・テスト施設として使用されていたことが記されていた。「Area 51」という名前も文書中に登場し、長年の謎の一部が公式に確認された形になった。

この機密解除によって「エリア51は実在する」「そこで先端航空機の開発が行われていた」という事実は確定した。ただ、それが「全部の真相」なのかどうかは別の話だ。機密解除されるのは通常、すでに用済みになった情報だ。現在進行形で何かが行われているとしたら、それは当然まだ表に出てこない。

解除された文書を読み込んだ研究者によると、エリア51では現在もステルス技術や無人機(ドローン)の最先端開発が続いていると見られている。F-117ナイトホークや現在のB-21レイダーといったステルス爆撃機も、ここでテストを繰り返してきたと言われる。宇宙人とは関係なくても、十分すぎるほどの「秘密」がここには詰まっている。

警備体制の実態――見えない壁

エリア51の警備は民間警備会社「エジ」が担当していると言われている。この会社は基地の外側、公有地との境界線上にパトロール要員を配置している。一見すると普通のトラックが砂漠を走っているように見えるが、近づくと制服姿の警備員が降りてきて、速やかにUターンするよう指示する。

境界線を越えると、民事上の侵入にとどまらず、連邦法上の罪に問われる可能性がある。「禁止区域での写真撮影」だけで逮捕された事例もある。境界線の外から撮影しても問題ないはずだが、「望遠レンズで施設を狙った」と判断されると介入されることがある。法的なグレーゾーンを突いてくる警備体制だ。

上空は民間機・軍用機を問わず進入禁止の空域に指定されていて、FAAのデータにも「R-4808N」として登録されている。ドローン飛行は当然禁止で、境界線の近くでドローンを飛ばした人が没収・罰金を受けたケースも報告されている。衛星から見ることはできても、実際の空気を吸えないという状況が今も続いている。

現代の衛星画像分析

今はGoogle Earthがあるから、エリア51の施設は誰でも上から眺めることができる。滑走路、格納庫、支援施設の配置まではっきり写っていて、「謎の秘密基地」というよりは軍の飛行試験施設そのものに見える。ただ、地上から近づくのはまったく別の話だ。周囲には武装した警備員と監視カメラが張り巡らされていて、看板には「撮影禁止・発砲あり」と書かれている。衛星から見える姿と、現地の張り詰めた空気には、まだずいぶん差がある。

衛星画像を定期的に比較している研究者によると、施設は年々拡張されている。2000年代初頭と現在を比べると、格納庫の数が増え、滑走路も延長されている。縮小している施設がほぼないという事実は、今も活発に何かが行われていることを示唆している。

また、施設の一部はGoogle Earthでも意図的にぼかされているか、更新頻度が低い古い画像のままになっている区画が存在する。民間の商業衛星が撮影した画像に政府が介入できるのかという疑問もあるが、実際に「見せたくない部分」が存在することは確かだ。

エリア51と周辺コミュニティの関係

基地から最も近い集落の一つが、人口わずか50人ほどのレイチェルという小さな町だ。ここに「リトル・エイリアン・イン」というモーテルがあり、UFO目当ての旅行者で一年中にぎわっている。オーナーは地元住民で、基地の噂話や目撃情報を長年収集してきた人物だ。

地元に長く住む人たちの話を聞くと、夜空に奇妙な光を見たという経験は珍しくないらしい。「三角形の光が静止したあと、急加速して消えた」「音もなく低空を飛ぶ物体を見た」という証言が複数ある。これらが未知の航空機なのか別の何かなのかはわからないが、「見た」という事実は積み重なっている。

一方で、基地に雇用されている地元住民も少なくない。毎朝ラスベガスから専用バスや航空機(「JANET航空」と呼ばれる)で従業員が通勤しており、乗客は外から見えないよう窓が目隠しされた機材を使うとも言われている。彼らはほぼ確実に「何がそこにあるか」を知っているが、口を割ることはない。秘密保持契約の縛りは相当に強いようだ。

JANET航空――砂漠に消える通勤便の正体

エリア51で働く従業員の通勤手段として知られているのが、通称「JANET航空」だ。正式名称はなく、「Just Another Non-Existent Terminal(存在しない空港へのただの便)」の略だという説が広まっているが、これは後からついたジョークだという見方もある。いずれにせよ、この航空便は長年にわたって公式には存在を認められてこなかった。

機材はボーイング737で、白い胴体に赤いラインが一本入ったシンプルな塗装が特徴だ。機体に航空会社名は書かれていない。ラスベガスのマッカラン国際空港の一角にある専用ターミナルから毎日複数便が飛んでいて、乗客は一般の旅行者とは完全に分離されて搭乗する。

窓に目隠しの遮光シェードが常に閉められているという証言が多く、乗客が外の景色から自分の目的地を特定できないような仕組みになっているとも言われる。フライトレーダーのような航空追跡サービスでも長らく表示されなかったが、現在は「JANET」というコールサインで一部が確認できるようになっている。

毎朝何百人もの技術者、科学者、軍関係者がこの便に乗って砂漠の中へ消えていく。彼らは家族にも「どこで働いているか」を言えないケースが多いという。仕事の内容はもちろん、勤務地の名前すら口にできない。そういう日常を何年も続けている人たちがいる、という事実もエリア51というものを考えるうえで興味深い。

今もわかっていないこと、これからわかることへの期待

エリア51を巡る謎のうち、確定したことはまだ一部に過ぎない。「先端航空機の開発施設だった」という事実は認められたが、現在何が開発されているかは依然として不明だ。次世代の無人戦闘機なのか、音速をはるかに超えるスクラムジェット機なのか、あるいはまったく別の何かなのか。

機密文書の多くは25年か50年後に解除される仕組みになっている。U-2に関する文書が解除されたように、今現在エリア51で行われていることも、数十年後には当たり前のように教科書に載っているかもしれない。そのときに「やっぱりそういうことだったか」と思う内容なのか、「そんなものがあったのか」と驚く内容なのかは、今の時点では誰にもわからない。

宇宙人の話はおそらく本当ではないだろうと多くの専門家は見ている。ただ、「絶対にない」とも言い切れない。宇宙がこれだけ広く、地球の歴史がこれだけ長いことを考えると、「可能性ゼロ」と断言するのは難しい。エリア51が宇宙人の証拠かどうかはともかく、「人間には知らされていないことがまだある」という事実は確かで、それだけで十分すぎるほど面白い場所だと思う。

シンヤの体験談――砂漠の夜空で感じたこと

実は数年前、友人に誘われてネバダを旅したことがある。目的はエリア51周辺の夜空を見ることだった。ラスベガスから車で北上すること約2時間、宇宙人街道に入ると急に周りが暗くなった。街灯もなく、ほぼ無音の砂漠が広がっていた。

真夜中ごろ、車を止めて空を見上げた。星の量が違う。都市部では絶対に見えない星が、空一面に広がっていた。そのとき、視野の端に光が動いた。最初は流れ星かと思った。でも軌道が変わった。直角に近い角度で方向を変えて、すうっと消えた。

友人と顔を見合わせた。「今の見た?」「見た」。それだけ言って、しばらく黙っていた。あれが何だったのかは今でもわからない。軍の実験機かもしれないし、ドローンかもしれない。でも、そういう場所に来ないとわからないものがある、とだけ言っておく。砂漠の夜空は想像以上だった。

翌朝、宇宙人街道沿いのダイナーで地元のおじさんと少し話した。「何年もここに住んでいるが、おかしなものはしょっちゅう見る」と笑いながら言っていた。驚いている様子はなかった。それが当たり前の日常になっているんだろう。見慣れているからこそ怖くない、という感覚が地元の人にはあるのかもしれない。帰り道、ずっとそのことを考えていた。

砂漠の真ん中に誰にも見せたくないものを隠す、ってのはある意味人間らしい発想だよな。まだまだ気になることはあるけど、今夜はこのへんで。シンヤでした、また次の夜に。

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