よう、シンヤだ。引っ越しを考えてるやつ、ちょっとだけ聞いてってくれ。新しい部屋を探すとき、家賃とか間取りは見るだろうけど、「そこで何があったか」まで調べてるか? 今日はいわゆる事故物件をどう見分けるか、って話をしようと思う。知っておいて損はないからさ。
事故物件の見分け方完全ガイド|大島てるの使い方と引っ越し前のチェックリスト
導入
引越しで物件を探すとき、立地や間取り、価格は誰でもチェックする。でも「その部屋で過去に何があったか」まで調べている人は意外と少ない。事故物件――つまり、室内で死亡事故や事件が起きた過去のある住宅だ。こうした物件に知らずに住んでしまうと、精神的な不安を抱えることになるし、将来その部屋を売ろうとしたときにも苦労する。
実際のところ、日本では年間およそ3万人が自宅で亡くなっているとされる。高齢化社会の進行に伴って孤独死の件数は増加傾向にあり、賃貸マンションやアパートでも決して他人事ではなくなっている。「まさかこの部屋が」と思うような、築浅のきれいなマンションの一室が事故物件だったというケースも珍しくない。
この記事では、事故物件をどうやって見抜くか、情報サイト「大島てる」をどう使うか、不動産屋にどう切り出せばいいのか、引越し前に確認しておくべきことを一通りまとめた。契約書にハンコを押す前に、一度目を通しておいてほしい。
事故物件とは
事故物件とは、室内で人が亡くなった過去のある住宅のこと。死因は自殺、殺人、孤独死などさまざまだ。不動産の世界では「心理的瑕疵のある物件」と呼ばれていて、売買や賃貸の際に不動産業者はこの事実を買主・借主に伝えなければならないとされている。
ただ、この情報開示のルールが実はかなりあいまいだ。どこまで伝える義務があるかは地域や業者によって判断が分かれるし、事故から一定期間が経つと開示義務がなくなる傾向もある。「3年以上前の事故なら伝えなくていい」とする業者もいるが、法律で明確に「○年」と決まっているわけではない。つまり、業者任せにしていると情報が落ちてくる保証はない。自分で調べる姿勢が、結局のところ一番の防御策になる。
2021年の国交省ガイドラインで何が変わったか
長らくあいまいだった告知義務のルールに、ひとつの指針が示されたのが2021年10月のことだ。国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表した。これは法律そのものではないが、不動産業者が判断に迷ったときの拠りどころとして実務上かなり影響力がある。
このガイドラインのポイントを整理しておこう。まず、自殺・殺人・火災による死亡については、賃貸の場合はおおむね3年間の告知が目安とされた。つまり、事故から3年が経過すると、業者は自ら進んで告知する義務がなくなる可能性がある。一方、売買の場合は期間の目安が設けられておらず、基本的には告知が必要とされている。
また、自然死や日常生活における不慮の事故(入浴中の溺死、階段からの転落死など)は、原則として告知義務の対象外とされた。ただし例外がある。遺体の発見が遅れて特殊清掃が必要になったケースなどは、自然死であっても告知の対象に含まれる。つまり「孤独死=告知不要」と単純に割り切れるものではない。
このガイドラインには抜け穴もある。「おおむね3年」という表現は曖昧で、2年11か月なら告知するが3年1か月なら黙っていい、という明確な線引きではない。さらに、ガイドラインに法的拘束力はないため、業者によっては独自の判断基準を持っている場合もある。結局のところ、ガイドラインがあっても「自分で調べる」という基本は変わらない。ただ、ガイドラインの存在を知っておくと、業者と交渉するときに話がスムーズになる場面はある。「国交省のガイドラインでは告知対象に該当すると思うのですが」と伝えれば、業者も無視しにくくなるからだ。
事故物件情報サイト「大島てる」の使い方
「大島てる」は、全国の事故物件情報を無料で検索できるウェブサイトだ。ユーザーからの投稿で情報が集まっていて、比較的リアルタイムで更新されている。誰でもアクセスできる手軽さが最大の強みだろう。
使い方はシンプルで、サイトにアクセスしたら地図上で引越し先の地域を表示し、ズームしていく。赤いマーカーが立っている場所は、過去に事故が起きた可能性がある物件だ。マーカーをクリックすれば、事故の概要や発生時期が表示される。候補の物件だけでなく、その周辺にもマーカーがないかあわせて見ておくといい。
ただし、大島てるの情報を鵜呑みにするのは危険だ。ユーザー投稿がベースなので、掲載されていない事故もあれば、誤情報が紛れ込んでいるケースもある。あくまで「あたりをつけるためのツール」として使い、大島てるで何も出なかったから安心、とは思わないこと。ここで得た情報は不動産業者への確認材料として活用するのが賢い使い方だ。
大島てるを使う際の具体的なコツ
大島てるの地図は、Googleマップをベースにしている。だからピンチイン・ピンチアウトや住所検索は、普段Googleマップを使い慣れている人ならすぐに操作できるはずだ。ただ、いくつか知っておくと便利なコツがある。
まず、マーカーの色に注目してほしい。赤いマーカーは事件・事故の報告があった場所を示しているが、マーカーの色の濃さで情報の「鮮度」がわかる場合もある。また、マーカーをクリックしたときに表示される「コメント」欄も必ず読むこと。事故の種類(自殺・殺人・孤独死・火災など)や、それが起きた時期が書かれていることが多い。これによって、自分がどの程度気にするべき情報かの判断材料になる。
次に、番地レベルまでしっかり確認すること。大島てるのマーカーはピンポイントで正確な位置に立っていないこともある。隣の建物にマーカーが立っていたが、実はその隣のマンションの出来事だった、というケースも報告されている。住所の一致を自分で確認することが大切だ。
もうひとつ、建物名が変わっている場合がある。事故があったマンションがオーナーの判断で名称を変更しているケースだ。大島てるには旧名称で登録されていることがあるので、物件の過去の名称まで調べておくと情報の取りこぼしが減る。管理会社に「以前この建物は別の名前でしたか?」と聞いてみるのもひとつの手だ。
大島てる以外の情報源も押さえておく
大島てるは便利だが、それだけに頼るのはリスクがある。事故物件に関する情報を集めるなら、ほかにもいくつかのルートを知っておくといい。
ひとつは、過去のニュース記事の検索だ。Googleで物件の住所や建物名を検索すると、過去に大きな事件や事故があった場合はニュースサイトの記事がヒットすることがある。ローカルニュースのアーカイブまで丁寧に見ていくと、大島てるには載っていない情報が見つかることもある。
もうひとつ、地元の図書館に足を運ぶという方法がある。古い新聞の縮刷版やマイクロフィルムを閲覧できる図書館なら、数十年前の事件報道まで遡ることができる。手間はかかるが、ネット上にデジタル化されていない情報が見つかることもあるので、特に中古住宅の購入を検討している場合は有効だ。
SNSも侮れない。TwitterやInstagram、掲示板サイトで物件名や住所を検索すると、近隣住民の何気ない投稿から情報が見つかることがある。「〇〇マンションでパトカーが来てた」「救急車が停まってた」といった目撃情報が残っていることもある。もちろん、SNSの情報は信頼性にばらつきがあるので、鵜呑みにせず裏取りは必要だ。
また、不動産系の口コミサイトやマンションレビューサイトにも目を通しておくといい。住民からの口コミとして「〇階で事故があったらしい」といった情報が書き込まれていることがある。匿名の投稿なので正確性は保証されないが、ひとつの手がかりにはなる。
不動産業者への正しい聞き方
事故物件について不動産業者に聞くとき、「この物件に何か問題ありますか?」みたいなふわっとした聞き方をしても、たいてい具体的な答えは返ってこない。業者側も、聞かれていないことをわざわざ話す義理はないと考えがちだからだ。
効果的なのは、ストレートに聞くこと。「この物件で過去に人が亡くなった事件や事故はありましたか」と単刀直入に尋ねる。そこから「いつ頃の話か」「どういう経緯だったのか」と掘り下げていけばいい。法的に瑕疵の開示義務がある場合、直接聞かれた業者はごまかしにくくなる。
もうひとつ使えるテクニックがある。「近所の方からちょっと聞いた話があるんですが」と切り出す方法だ。客がすでに何かしらの情報を持っていると分かると、業者は隠し通すリスクを避けて、正直に話してくれることが多い。もちろん、質問するときは詰問口調にならないよう注意してほしい。落ち着いた丁寧な聞き方のほうが、相手も構えずに答えてくれる。
業者の反応から読み取れるサイン
不動産業者に事故物件について質問したとき、その回答の仕方にも注目してほしい。言葉の内容だけでなく、答え方そのものが重要な手がかりになることがある。
まず、質問に対して即座に「ありません」と断言できる業者は、少なくともその物件について調査済みか、告知事項がないことに自信を持っていると考えていい。逆に、「えーと、ちょっと確認しますね」と言って長時間保留にされたり、「たぶん大丈夫だと思いますが」と歯切れの悪い回答が返ってきたりする場合は、何か引っかかるものがある可能性がある。
あからさまに話題を変えようとする業者にも注意が必要だ。「それよりこの物件、日当たりがすごくいいんですよ」と急にセールストークに切り替えてくるパターンだ。質問をスルーされたら、「すみません、先ほどの質問にお答えいただけますか」ともう一度丁寧に聞き返すこと。
「告知事項はありません」と言われた場合も安心しきってはいけない。告知義務の期間が過ぎていれば、法律上は「告知事項なし」で通るからだ。そこで、「告知義務の対象外になっている過去の出来事も含めて、何かご存じのことはありますか」と一歩踏み込んで聞いてみるといい。義務がなくても、聞かれれば答えてくれる誠実な業者は存在する。
事故物件の価格はどれくらい下がるのか
事故物件は一般的に相場よりも安く設定されることが多い。では、実際にどれくらいの値引きが行われるのだろうか。
あくまで目安だが、賃貸の場合、自殺があった物件は相場の2割から3割程度安くなることが多い。殺人事件があった物件はさらに大きく下がり、5割近い値引きがされるケースもある。孤独死で発見が遅れたケースは、状況の程度によるが1割から3割程度の値引きが一般的だ。
売買の場合はもっと影響が大きい。自殺物件で2割から3割、殺人事件のあった物件は3割から5割の価格下落が見られる。特に、メディアで大きく報道された事件の場合は、物件の資産価値が大幅に毀損されることがある。
「安いから得だ」と考えて事故物件を選ぶ人も一定数いる。実際、心理的に気にならないのであれば、同じ条件の部屋を割安で借りられるメリットは大きい。ただ、将来的にその物件を手放す際の資産価値や、同居する家族の心理的負担も考慮に入れておくべきだ。自分ひとりなら平気でも、パートナーや子どもが「知ってしまったとき」にどう思うか。そこまで想像しておきたい。
事故物件に住んだ人のリアルな体験談
事故物件について調べると、実際に住んだことのある人の体験談がネット上にいくつも見つかる。もちろんすべてが真実かどうかは判断が難しいが、共通するパターンのようなものはある。
ある男性は、都内で家賃5万円台のワンルームマンションを見つけて即決した。相場より2万円近く安かったが、築年数が古いからだろうと深く考えなかったという。入居してしばらくは何も問題がなかったが、あるとき近所のコンビニの店員に「あのマンション、前に人が亡くなった部屋があるって聞いたことある」と言われて初めて事実を知った。そこから急に部屋にいるのが落ち着かなくなり、数か月後に退去したそうだ。
逆に、事故物件だと知った上で入居して、何年も快適に暮らしているという人もいる。ある女性は「家賃が安いぶん貯金ができるし、部屋もリフォームされてきれいだし、何も気にならない」と話していた。結局のところ、事故物件に住むかどうかは個人の価値観や感受性による部分が大きい。大事なのは「知らずに住んでしまう」ことを避けること。知った上で選ぶなら、それはその人の判断だ。
ただし、注意しておきたいのは「住んでみたら気にならなかった」という声が目立ちやすい一方で、精神的に参ってしまったケースはあまり表に出てこないということだ。辛い思いをした人はわざわざネットに書き込まないことが多い。生存者バイアスがかかっている可能性は考慮しておくべきだろう。
内見時に見るべきポイントを詳しく解説
事故物件を見抜くうえで、内見は非常に重要な機会だ。写真や図面だけではわからない違和感を、自分の目と鼻と耳で確かめることができる。
まず注目すべきは、部分的なリフォーム跡だ。壁紙がその一室だけ新しかったり、フローリングの一部分だけ張り替えられていたりする場合は、理由を聞いてみるといい。全面リフォームではなく特定の場所だけ手を入れている場合、そこで何かがあったことを示唆している可能性がある。もちろん、単に傷や汚れの補修である場合も多いが、確認して損はない。
匂いにも気を配りたい。特殊清掃が行われた部屋は、強い消臭剤や芳香剤の匂いが残っていることがある。入室した瞬間に不自然に強い芳香を感じたら、それが何を隠しているのか考えてみてほしい。窓を開けて換気した状態と閉めた状態の両方で匂いを確認するのが理想的だ。
浴室やキッチンの排水口周りもチェックポイントだ。排水管から原因不明の異臭がする場合は要注意。また、浴室のコーキング(目地のシリコン部分)だけが異様に新しいとか、浴槽そのものが交換されている形跡がある場合も、理由を確認しておきたい。
間取り図と実際の部屋を見比べることも忘れずに。壁の位置が図面と微妙にずれていたり、不自然な出っ張りがあったりする場合は、何かを隠すための改修が行われた可能性がある。押し入れやクローゼットの奥も覗いてみること。壁紙の下に染みが透けて見えたり、床材が周囲と異なっていたりすることがある。
内見の時間帯にも気を配るといい。昼間だけでなく、可能であれば夕方以降にも訪れてみてほしい。夜間の周辺環境――街灯の有無、人通り、騒音――は昼間とはまったく違う顔を見せることがある。事故物件かどうかとは直接関係ないかもしれないが、安心して暮らせるかどうかの判断材料にはなる。
引越し前に確認すべきチェックリスト10項目
1. 大島てるでの確認――候補物件とその周辺を大島てるで検索する。赤いマーカーの有無をチェックし、念のため日をあらためてもう一度確認しておくと安心だ。
2. 不動産業者への直接質問――「この物件で過去に人が亡くなったことはありますか」と明確に聞く。答え方があいまいだったり、妙に言葉を濁したりする場合も、それ自体がひとつのサインだ。
3. 近所の住民への聞き込み――物件の近くに住んでいる人に話を聞ければ、大島てるにも載っていない地元の記憶が出てくることがある。散歩がてら周辺を歩いてみるだけでも、雰囲気はつかめる。
4. インターネット検索――物件の住所でそのまま検索してみる。大きな事件や事故であれば、ニュース記事が残っていることが多い。住所だけでなく、建物名でも検索してみるといい。
5. 警察への問い合わせ――物件の所在地を管轄する警察署に電話して、過去に重大事件がなかったか聞いてみる方法もある。個人情報保護の関係で詳しくは教えてもらえないこともあるが、やってみる価値はある。
6. 物件の価格帯の確認――同じエリア・同じような条件の物件と比べて、不自然に安くないか。事故物件は相場より低く設定されることが多いので、「安すぎる物件」には理由がある可能性を疑ったほうがいい。
7. 賃貸契約書の詳細確認――契約書や重要事項説明書に「心理的瑕疵」の記載がないか目を通す。小さな文字で書かれていることもあるので、面倒でもすみずみまで読むこと。
8. 過去の入居者の入れ替わり状況――ここ数年で入居者がころころ変わっていないか、不動産業者に聞いてみる。短期間で退去が続いている物件は、何かしらの問題を抱えている可能性がある。
9. 物件内部での違和感の確認――内見のとき、五感をフルに使って観察する。不自然なリフォーム跡が一箇所に集中していたり、妙な匂いがしたり、間取り図と実際の広さが合わなかったりしないか。違和感を覚えたら、遠慮なく業者に理由を聞いていい。
10. 複数の情報源を突き合わせる――どれかひとつの情報だけで「安全」とも「危険」とも判断しないこと。大島てる、業者の回答、ネット検索、近隣の声、内見での印象。複数の情報を重ね合わせてはじめて、信頼できる判断になる。
事故物件を掴まないための物件探しの手順
ここまで読んで「調べることが多すぎて面倒だ」と感じた人もいるかもしれない。そこで、実際に物件探しをする際の効率的な手順を整理しておこう。
最初のステップは、候補物件をいくつか絞り込んだ段階で大島てるを確認すること。これが一番手軽で、数分で終わる。マーカーが立っている物件は候補から外すか、少なくとも要注意リストに入れておく。
次に、候補物件の住所と建物名でGoogle検索をかける。ニュース記事や掲示板の書き込みが見つかればそれを記録し、何も見つからなければ次に進む。この段階で引っかかるものがあれば、内見前に不動産業者へ確認を入れておくと時間の無駄を省ける。
内見時には、先ほど解説したチェックポイントを意識しながら部屋を見る。そして内見のときに必ず、事故物件かどうかを業者に直接聞く。メールや電話よりも、対面で聞いたほうが相手の表情や態度も観察できるのでおすすめだ。
内見後、気に入った物件が見つかったら、契約前にもう一度大島てると検索エンジンを確認する。時間が経つと新しい情報が追加されていることもあるからだ。さらに、可能であれば物件周辺を歩いて近隣住民に話を聞く。平日の昼間にスーパーや商店街で買い物ついでに聞いてみるのが自然だ。
ここまでやっても100パーセントの保証はない。だが、何もしないよりは圧倒的にリスクを減らせる。完璧を目指すのではなく、「できることはやった」と自分が納得できるレベルの調査をすることが大切だ。
もし事故物件だと入居後に判明したら
調べたのに見抜けなかった。入居してから事故物件だと知ってしまった。そんなケースも残念ながらゼロではない。この場合、取れる手段がいくつかある。
まず、不動産業者に告知義務違反がなかったか確認すること。告知すべき事項を隠されていた場合は、契約の解除や損害賠償を請求できる可能性がある。2021年のガイドラインに照らして、本来告知されるべきだった情報が告知されていなかったのであれば、業者側に落ち度がある。
具体的な対応としては、まず管理会社や仲介業者に書面で問い合わせをすること。口頭でのやり取りだけでは記録が残らないので、メールや書面でのやり取りを徹底したい。それでも誠実な対応が得られない場合は、各都道府県の不動産業者を監督する窓口(宅地建物取引業の免許を管理する部署)に相談する手がある。
弁護士に相談するのもひとつの手段だ。初回無料の法律相談を実施している弁護士事務所や、法テラス(日本司法支援センター)を利用すれば、費用を抑えて専門家のアドバイスを受けられる。告知義務違反が認められれば、引越し費用や精神的苦痛に対する慰謝料が認められたケースも過去にはある。
一方、ガイドラインの基準上は告知義務がなかったケース(自然死で特殊清掃なし、3年以上前の事故など)は、法的に争うのが難しくなる。この場合は、自分の中で折り合いをつけるか、自費での退去を検討することになる。理不尽に感じるかもしれないが、現行のルール上はそういう結論になり得る。だからこそ、入居前の自主調査が重要なのだ。
事故物件と「お祓い」の実態
事故物件に引っ越すことになった場合や、入居後に不安を覚えた場合、「お祓い」を考える人は少なくない。実際のところ、事故物件のお祓いは不動産業界でも珍しい話ではなく、物件のオーナーが入居者募集の前に神主を呼んでお祓いを済ませているケースもある。
お祓いの費用は神社によって異なるが、個人で依頼する場合は1万円から5万円程度が相場だ。地元の神社に問い合わせれば、出張でのお祓いに対応してくれるところが多い。寺院でも同様のサービスを行っているところがある。
科学的な効果があるかどうかは別として、お祓いには「自分の気持ちに区切りをつける」という心理的な効果がある。新しい生活を始めるにあたって、何かしらの儀式を行うことで精神的な安心を得られるなら、それは十分に意味のあることだ。逆に、お祓いをしても不安が消えないなら、無理にその部屋に住み続ける必要はない。自分の心と体の健康が最優先だ。
まとめ
事故物件かどうかの調査は、契約前に必ずやっておくべき作業だ。大島てるは手軽で便利なツールだが、それだけでは不十分。不動産業者への直接質問、ネット検索、近隣住民への聞き込み、内見時の観察――手間はかかるが、こうした複数の手段を組み合わせることで、見落としのリスクはぐっと下がる。
2021年に国交省のガイドラインが出たことで、告知のルールは以前よりは整理された。しかし、ガイドラインには限界もあり、すべての事故が自動的に通知されるわけではない。結局のところ、「自分の住む場所は自分で調べる」という姿勢が最大の武器になる。
引越しは生活の土台を決める判断だ。部屋の中で過ごす時間は長い。だからこそ、表面的な条件だけでなく、その物件の「過去」にも目を向けてほしい。面倒に感じるかもしれないが、あとから「調べておけばよかった」と後悔するよりずっといい。
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知らないで住むのと、知った上で選ぶのとじゃ全然違うからな。部屋探しの前にちょっと思い出してくれたら嬉しい。シンヤでした。じゃ、またな。