シンヤだ。夜中にふとスマホで写真見返してたらさ、なんか変なもん写ってた経験ってないか? 光の玉とか、謎の筋とか。今日はあれが何なのか、どういうカメラだと写りやすいのか、そのへんを掘り下げてみようと思う。前に調べたことあるんだけどさ、これがなかなか奥が深いんだよ。
心霊写真が撮れるカメラの特徴と選び方|オーブ・光の筋の正体と撮影テクニック
心霊写真とは何か
心霊写真——カメラで撮った画像に、本来は目に見えないはずの霊的な存在が映り込んでいるとされる写真だ。オーブや光の筋、人影、顔のようなものなど、その表れ方はさまざまで、古くから多くの人の好奇心を刺激してきた。
「あのカメラを使えば心霊写真が撮れる」——そんな話を聞いたことがある人もいるだろう。ただ実際のところ、こうした現象の多くはカメラの特性や光の挙動で科学的に説明がつく。この記事では、心霊写真の正体からカメラ選び、撮影テクニックまで一通り整理していく。
心霊写真の歴史——いつから人は「写ってはいけないもの」を恐れたのか
心霊写真の歴史は、写真技術そのものの歴史とほぼ同じくらい長い。世界で最初の心霊写真とされるのは、1861年にアメリカの写真家ウィリアム・マムラーが撮影した一枚だ。自分のポートレートを現像したら、背後に亡くなったいとこの姿が写っていた——というのが彼の主張だった。
当時のカメラは湿板写真と呼ばれる方式で、ガラス板に感光材を塗って撮影していた。露光時間が数秒から数十秒と長く、その間に別の人物が映り込んだり、以前撮影した像がガラス板に残っていたりということが普通に起こり得た。二重露光という技法を使えば、意図的にこうした「幽霊」を作り出すこともできた。
マムラーはこの発見をビジネスに変えた。「亡くなった家族の霊と一緒に写真が撮れます」というサービスを始めたのだ。南北戦争直後のアメリカは、戦死した家族を偲ぶ人々であふれていた。彼の商売は大繁盛し、あのリンカーン大統領の妻メアリー・トッド・リンカーンまでが顧客になったという記録が残っている。
日本における心霊写真ブームは、1970年代から80年代にかけてがピークだった。テレビ番組で心霊写真特集が頻繁に組まれ、中岡俊哉の著書『恐怖の心霊写真集』はベストセラーになった。フィルムカメラの時代だから「加工なんてできるわけがない」という先入観があり、写真に写った不思議な像はそのまま霊の証拠として受け取られることが多かった。
デジタルカメラの普及以降、心霊写真の数は爆発的に増えた。誰でも気軽に大量の写真を撮れるようになったことで、偶然の映り込みや光学的な現象を捉える確率が格段に上がったからだ。同時に、Photoshopなどの画像編集ソフトの存在が「デジタル写真は加工できる」という認識を広め、心霊写真の信憑性は以前より疑われるようになった。皮肉な話だが、技術の進歩が心霊写真を増やしつつ、その価値を下げたとも言える。
心霊写真の代表例
心霊写真と呼ばれるものの中でも、特によく見かけるのがオーブだ。写真の中にふわっと浮かぶ、透き通った白や淡い色をした球体の光。心霊写真愛好家の間では「霊の姿が球体になったもの」と解釈されることも多い。ただし実際には、カメラのレンズのすぐ前にあるちりやほこり、あるいは空気中の水分にフラッシュの光が当たって反射した——それだけの話である可能性が高い。
光の筋もよく話題になる。オーブよりも大きく、直線だったり曲線だったりと形が複雑なことが多い。こちらはカメラが動いている間に懐中電灯などの光源が軌跡を描いて記録されたもの、あるいはレンズフレアと呼ばれる光学的な現象が原因と考えられている。
もっと衝撃的なのが、人影や顔が写り込んでいるように見えるケースだろう。暗がりの木の模様や壁のシミが、どう見ても人の顔に見える。これは「パレイドリア現象」と呼ばれるもので、人間の脳が不規則なパターンの中から無意識に顔や人の形を見出してしまう性質によるものだ。見間違いというより、脳のバグのようなものと言ったほうが正確かもしれない。
もうひとつ忘れてはならないのが「エクトプラズム」と呼ばれる現象だ。写真の中に白い靄のようなものがかかっているケース。19世紀末から20世紀初頭の降霊術の現場で頻繁に報告されたもので、霊媒師の体から霊的な物質が放出されていると信じられていた。現代の分析では、これはカメラストラップや指がレンズの前にかかっていたり、タバコの煙や吐いた息が冷気で白く見えていたりしたものだと考えられている。冬場の屋外撮影で自分の息が写り込んで「白い靄だ」と驚いた経験がある人も多いのではないだろうか。
オーブの科学的な正体
オーブとして写る光の正体は、ほとんどの場合、レンズのごく近くに浮遊しているちりやほこりだ。カメラから数センチ〜数十センチの距離にある微小な粒子にフラッシュの光が当たり、反射する。ピントが合う距離ではないから、ぼんやりとした球体として写る——これがオーブの正体だ。
湿度の問題もある。心霊スポット巡りで訪れるような廃墟は、湿度が高い場所が多い。暖かい室内から急に冷えた場所にカメラを持ち出すと、レンズに結露が生じる。この水滴が光を反射すれば、やはりオーブのような光として記録される。心霊スポットでオーブが多く撮れるのは、霊が集まりやすいからではなく、環境的にちりや結露が発生しやすいから、という身も蓋もない話だ。
ISO感度の影響も見逃せない。暗い場所で撮影するためにISO感度を上げると、画像にノイズが乗る。このノイズが球体状のパターンを作り出し、オーブと見間違えるケースもある。
ちなみに、オーブに色がついて見えることがある。青っぽいオーブ、緑っぽいオーブ、赤っぽいオーブ。スピリチュアルな解釈では色ごとに意味があるとされるが、実際にはフラッシュの光がちりの表面で反射する際に、粒子の素材や角度によって特定の波長が強調されるだけだ。石けんの泡が虹色に見えるのと同じ「薄膜干渉」という物理現象で、霊のオーラの色とは何の関係もない。
光の筋の科学的説明
光の筋が写る仕組みはシンプルだ。シャッターが開いている間に光源が動けば、その動きがそのまま軌跡として記録される。懐中電灯を持った手がブレた、同行者のスマホの画面が揺れた——それだけで写真には不思議な光の筋が残る。これは「ライトペインティング」と呼ばれる、意図的に光の軌跡を撮影する技法とまったく同じ原理だ。
レンズフレアとゴーストも光の筋の原因になる。太陽や懐中電灯などの強い光がレンズに直接当たると、光がレンズ内部の複数の面で反射を繰り返し、光の筋やハロー状の光を生む。ゴーストはその一種で、同心円状に複数の光が現れる現象だ。どちらもカメラの光学特性による現象であり、超常的な要素は一切ない。
実は光の筋には「カメラ内部の反射」というもうひとつの原因がある。古いカメラやレンズの内部には、光を吸収するための黒い塗装やフロッキング加工が施されているのだが、経年劣化でこれが剥がれてくると、内部で光が乱反射するようになる。その結果、写真に予期しない光の筋やハレーションが現れる。中古のフィルムカメラで心霊写真が撮れやすいと言われるのには、こうした物理的な理由もあるわけだ。
パレイドリア現象——なぜ人は「顔」を見てしまうのか
心霊写真の中でも最もインパクトが大きいのは、やはり「顔」が写り込んでいるように見える写真だろう。木目の模様が人の横顔に見える、窓ガラスの反射が目鼻のように見える、暗がりの影が人の立ち姿に見える——こうした現象はほぼ例外なくパレイドリアで説明がつく。
パレイドリアとは、ランダムなパターンの中に意味のある形——特に顔——を知覚してしまう脳の傾向だ。これは錯覚の一種だが、異常なことではない。人間の脳には「紡錘状回顔領域(FFA)」と呼ばれる、顔の認識に特化した部位がある。この領域は非常に敏感で、わずかな手がかりからでも「顔らしきもの」を検出してしまう。月面にウサギを見たり、コンセントの差し込み口が顔に見えたりするのも同じメカニズムだ。
進化的に考えれば、これは理にかなった機能だ。暗闘の中で敵や捕食者の顔を素早く見つける能力は、生存に直結していた。「顔じゃなかったのに顔だと思った」という誤検知のコストは低いが、「顔だったのに気づかなかった」という見落としのコストは命に関わる。だから脳は、多少の誤検知は許容してでも、顔の検出感度を高く設定しているのだ。
心霊写真において、このパレイドリアが特に起きやすいのには理由がある。暗い環境で撮影された写真は、コントラストが低く、ディテールが潰れている。情報が少ない画像ほど、脳は補完しようとする力を強く働かせる。さらに「心霊スポットで撮った写真だ」という先入観があれば、脳は普段以上に「異常なもの」を探そうとするバイアスがかかる。期待効果、確証バイアス——呼び方はいくつかあるが、要は「見たいものを見てしまう」ということだ。
フィルムカメラとデジタルカメラ——どちらが心霊写真に向いているか
心霊写真の撮影に向いているのは、フィルムカメラかデジタルカメラか。結論から言えば、それぞれ違う種類の「心霊写真」が撮れる。
フィルムカメラの強みは「光漏れ」だ。古いカメラはボディの気密性が低下していて、わずかな隙間から光がフィルムに当たることがある。これが現像後に赤やオレンジの帯状の光として現れ、いかにも心霊写真らしい雰囲気を出す。また、フィルムの巻き上げ不良による二重露光——同じコマに二回分の像が重なって記録される——も、人影が透けて見えるような幽霊的な写真を生み出す原因になる。
フィルムにはもうひとつ面白い特性がある。長期保存されたフィルムは化学変化を起こし、発色が変わったりノイズが増えたりする。古いフィルムを使って撮影すると、予想外の色味や模様が出現することがある。ヴィンテージカメラで撮った写真に独特の「味」があるのは、こうした予測不能な化学反応のおかげでもある。
一方、デジタルカメラは先に述べたオーブやノイズの発生において優位だ。特にコンパクトデジカメの小さなセンサーは、フルサイズ機に比べてノイズが出やすく、暗所での画質が荒れやすい。加えてデジタル特有の現象として「ホットピクセル」がある。センサー上の特定の画素が常に明るく点灯してしまう不具合で、写真の中に小さな光の点として現れる。これが暗い写真の中でオーブのように見えることがある。
撮影枚数という観点では、デジタルカメラに圧倒的な利がある。フィルムは36枚撮りが一般的で、1本あたりのコストもかかる。デジタルなら一晩で数百枚、数千枚と撮影でき、その中から「当たり」を探すことができる。心霊写真は確率のゲームでもあるから、試行回数を増やせるデジタルカメラの方が結果的に「撮れやすい」とは言えるだろう。
撮れやすいカメラの特徴
心霊写真が「撮れやすい」カメラには、いくつかの共通点がある。
高いISO感度に対応しているカメラは、暗所での撮影が得意な反面、感度を上げるほどノイズが増える。このノイズがオーブのような現象を生むことは先に述べた通りだ。
広角レンズを搭載している、あるいは装着できるカメラも相性がいい。広角レンズは画角が広い分、レンズの前面に近い位置にあるちりやほこりを拾いやすい。被写界深度の関係でそれらがボケて写り、オーブとして記録されやすくなる。
そしてフラッシュ。強いフラッシュを焚けば、レンズ周辺の微細な粒子が明るく照らし出される。内蔵フラッシュはレンズとの距離が近いため、特にオーブが写り込みやすい構造になっている。
もうひとつ付け加えるなら、レンズの状態も重要だ。古いレンズや手入れをしていないレンズは、表面に微細な傷やカビが付いていることがある。こうしたレンズを通った光は乱反射を起こし、写真に予期しない光の模様を作り出す。新品のレンズではまず写らないような光の筋やハレーションが、使い込んだレンズでは頻繁に現れる。中古カメラショップで安いレンズを探してみるのも、ひとつの手だと思う。
おすすめカメラ5選
1. Canon EOS R5
キヤノンのEOS R5は、高い解像度と優れた暗所撮影性能を備えたミラーレス機だ。ISO感度は最大51200まで対応しており、光のない場所でもしっかり撮影できる。価格帯は45万〜55万円程度。本格的に心霊写真を追求したい人の相棒として申し分ない。
2. Nikon Z9
ニコンのフラッグシップ機Z9は、最新の撮像素子を搭載し、ISO感度は最大102400に対応する。真っ暗な心霊スポットでもシャッターを切れる頼もしさがある。価格帯は55万〜65万円程度で、プロ向けの最上位モデルだ。
3. Sony A7R V
ソニーのA7R Vは、6100万画素という高解像度が売り。暗い場所で撮った写真を拡大しても、ディテールがしっかり残る。ISO感度は最大102400。価格帯は48万〜58万円程度で、細部まで確認したい人には最適な一台だ。
4. iPhone 14 Pro Max
スマートフォンだからといって侮れない。iPhone 14 Pro Maxの「ナイトモード」は、暗い環境でも驚くほど明るく撮影できる。価格帯は15万〜20万円程度で、専用カメラを買うほどではないけれど心霊写真を撮ってみたい——そんな人にちょうどいい。
5. Panasonic Lumix GH6
パナソニックのLumix GH6は、ISO感度25600対応のミラーレス機。動画撮影にも強く、心霊スポットの映像記録を残したい人にも向いている。価格帯は20万〜25万円程度と、フルサイズ機に比べれば手が出しやすい。
赤外線カメラと紫外線カメラ——見えない光で撮る世界
心霊写真の撮影で見逃せないのが、人間の目には見えない波長の光を捉えるカメラだ。赤外線(IR)カメラと紫外線(UV)カメラがそれにあたる。
赤外線カメラは、可視光よりも波長の長い光——およそ700nm以上の赤外線を記録する。暗闘であっても、物体が放つ熱を赤外線として捉えることで、肉眼では見えないものを写し出す。心霊調査番組でよく使われるサーマルカメラも赤外線の一種で、温度分布をカラーマップとして表示するものだ。
実は、一般的なデジタルカメラのセンサーも赤外線に感度を持っている。ただし通常はセンサーの前に赤外線カットフィルターが装着されていて、赤外線が記録されないようになっている。このフィルターを取り外す「IRカスタム改造」を施したカメラは、普通のカメラでは写らないものを捉えることができる。木の葉が白く輝いたり、晴れた空が暗く沈んだり——赤外線写真は独特の幻想的な描写になるため、心霊写真的な雰囲気と相性がいい。
紫外線カメラは逆に、可視光よりも波長の短い光——約400nm以下の紫外線を記録する。特殊なレンズとフィルターが必要で導入ハードルは高いが、普通の写真には写らない蛍光反応や表面の模様を捉えることができる。心霊写真に直接関係するかどうかは別として、「肉眼で見えないものが写る」というコンセプトを突き詰めるなら、紫外線撮影は面白い選択肢だと思う。
心霊写真の撮影テクニック
撮影時に意識したいのは、まずフラッシュの使い方だ。フラッシュを強く焚くほど、空気中のちりやほこりが明るく照らされてオーブが写りやすくなる。外付けストロボを使う場合はレンズから離れた位置に設置すると効果が変わるので、内蔵フラッシュとの違いを試してみると面白い。
ISO感度は3200以上を目安に上げてみよう。ノイズが乗る分だけ、画像に「何か」が写り込む余地が生まれる。ただし上げすぎると画質が荒れて判別が難しくなるので、使っているカメラの許容範囲を把握しておきたい。
レンズは広角寄りが有利だ。焦点距離14mm〜24mm程度のレンズを使うと、画角の広さからちりや水滴を捉えやすく、オーブが写り込む確率が上がる。望遠レンズでは手前のほこりにピントが合わないため、この手の写真は撮りにくい。
場所選びも影響する。湿度の高い場所——たとえば渓谷沿いの廃墟や、雨上がりの森——ではレンズに結露が生じやすく、オーブ出現率がぐっと上がる。温度差の激しい場所への移動直後も狙い目だ。
そして枚数を撮ること。心霊写真はコントロールできるものではなく、偶然の産物だ。連写機能を使って一度に何十枚と撮影し、あとから一枚一枚確認する。地味な作業だが、これが一番確実な方法だったりする。
シャッタースピードと心霊写真の関係
意外と見落とされがちなのが、シャッタースピードの設定だ。心霊写真を撮影する上で、シャッタースピードは結果を大きく左右する要素のひとつだと思う。
シャッタースピードを遅く設定する——たとえば1秒、2秒、あるいはそれ以上——と、シャッターが開いている間のすべての光がセンサーに記録される。暗い場所でこれをやると、わずかな光源の動きがすべて軌跡として残る。通りすがりの車のヘッドライト、遠くの街灯の揺らめき、風で揺れる木の隙間から差す月光——これらがすべて不思議な光の模様として写真に焼き付けられる。
さらに面白いのが「バルブ撮影」だ。シャッターボタンを押している間ずっとシャッターが開き続けるモードで、露光時間を数十秒から数分に伸ばすことができる。真っ暗な廃墟の中でバルブ撮影を行い、その間に懐中電灯をさっと振ると、写真には誰もいないはずの空間に光の軌跡が浮かび上がる。意図的にやれば「ライトペインティング」というアート技法だが、意図せずこうなったときに「霊の通り道が写った」と解釈されることがある。
逆にシャッタースピードを速くすると、動いているものがブレずにピタッと止まって記録される。ただし暗い環境でシャッタースピードを上げるにはISO感度を大幅に引き上げる必要があり、先に述べたノイズの問題が出てくる。このノイズが暗部に散らばって、よく見ると顔や人影のように見える——というのもよくある話だ。
撮影時の注意点——安全とマナー
心霊写真の撮影に出かけるなら、カメラの知識以上に重要なのが安全面だ。いくつか注意すべきことを挙げておきたい。
まず、廃墟への無断侵入は違法だ。日本の法律では、他人の所有する建物に許可なく立ち入ることは住居侵入罪にあたる。「廃墟だから誰のものでもない」ということはなく、ほぼすべての建物には所有者がいる。撮影に夢中になって法律を犯してしまっては元も子もない。
物理的な危険にも注意が必要だ。廃墟は床が腐っていたり、天井が崩落しかけていたりすることがある。暗闘の中での移動は転倒のリスクが高く、古い建物にはアスベストなどの有害物質が残っている可能性もある。ヘッドライト、丈夫な靴、マスク、そして複数人での行動は最低限の装備と考えたほうがいい。
撮影マナーとして、墓地や神社仏閣での撮影には配慮が必要だ。これらの場所は誰かにとって大切な場所であり、心霊写真目的で騒いだり、無神経にフラッシュを焚いたりすることは周囲の迷惑になる。深夜の墓地での撮影は不法侵入に加えて、近隣住民への迷惑にもなりかねない。
あと、これは個人的な意見だが、撮った写真をSNSに上げるときは慎重になってほしい。背景に他人が写り込んでいる写真を「心霊写真だ」と投稿すれば、写り込んだ人にとっては迷惑以外の何物でもない。プライバシーへの配慮は忘れないでほしいと思う。
撮れた写真の検証方法——本物と偽物を見分けるには
心霊写真が撮れたとき、それが「光学的な現象」なのか「説明のつかないもの」なのかを判断する方法がある。完全な判別は難しいが、いくつかのチェックポイントを押さえておくと、冷静に検証できるようになる。
まず確認すべきは、EXIF情報だ。デジタル写真にはカメラの設定——シャッタースピード、ISO感度、絞り値、フラッシュの使用有無、撮影日時——が記録されている。これを見れば、オーブが写った原因がフラッシュとISO感度の組み合わせによるものかどうか、ある程度推定できる。EXIF情報はWindowsなら右クリックのプロパティ、Macならプレビューアプリのインスペクターで確認できる。
次に、同じ場所で撮った他の写真との比較だ。連写した中の一枚だけにオーブが写っているなら、それはその瞬間だけレンズの前にほこりがあったということだ。すべてのコマに同じ位置に同じオーブが写っているなら、レンズの汚れやセンサーのホットピクセルを疑うべきだろう。
画像をピクセル等倍まで拡大してみるのも有効だ。本物の人影であれば拡大しても輪郭や質感が確認できるが、パレイドリアによる「見間違い」の場合は、拡大するとただのノイズや模様の集合に過ぎないことがわかる。脳は全体を見たときにパターンを補完するが、部分を拡大すると「顔」が崩壊して見えなくなることが多い。
明るさとコントラストを調整してみるのも手だ。暗部を持ち上げてみて、隠れていた情報が見えてくるかどうか。光の筋の原因になりそうな光源が画面外にないかどうか。写真編集ソフトのヒストグラムを見て、露出の偏りが異常な模様を生んでいないかを確認する。
最後に、撮影場所に戻って同じ条件で再撮影してみることだ。同じ現象が再現されれば、それは環境的な要因による可能性が高い。再現されなければ——そこから先は、信じるかどうかは個人の判断になる。
スマートフォンのカメラと心霊写真——最も身近な撮影機材
本格的なカメラを持っていなくても、今やスマートフォンのカメラで十分に「心霊写真」は撮れる。むしろスマートフォンの方が心霊写真が撮れやすい条件がいくつかある。
まず、スマートフォンのカメラはレンズとフラッシュ(LEDライト)の距離が非常に近い。これはオーブ発生の最大の要因だ。レンズのすぐ横でフラッシュが光るため、レンズ前のほこりが最も効率的に照らされる構造になっている。一眼カメラの外付けストロボのように離れた位置から光を当てるのとは条件が全く違う。
スマートフォンの小さなレンズには、指紋や皮脂が付着しやすいという特徴もある。ポケットから取り出してすぐに撮影すると、レンズの汚れが光を拡散させて、写真全体にうっすらとした靄がかかったようになる。これが「エクトプラズム」のように見えることは珍しくない。撮影前にレンズを拭くだけで心霊写真の発生率が劇的に下がるのだから、逆に言えば拭かないことが「撮影テクニック」になるわけだ。
最近のスマートフォンはAIを使った画像処理が進んでいて、暗い場所でも驚くほど明るく撮れるようになった。ナイトモードと呼ばれる機能は、複数枚の写真を合成して明るさとディテールを向上させるものだが、この合成処理の過程で動いているものがブレたり、二重に写ったりすることがある。人が歩いている場所でナイトモードを使うと、透けた人影が写るケースがあるのはこのためだ。
心霊動画という選択肢
静止画だけでなく、動画で心霊現象を記録するというアプローチもある。実際、YouTubeやTikTokには心霊動画が大量にアップされていて、写真以上に臨場感のあるコンテンツとして人気を集めている。
動画撮影で心霊現象が記録されやすい条件は、基本的に写真と同じだ。暗い環境、高いISO感度、広角レンズ。ただし動画特有の現象として「ローリングシャッター歪み」がある。スマートフォンやミラーレスカメラのセンサーは画像を上から下へ順番に読み取っていくため、カメラを素早く振ったときに直線が歪んで曲がって見える。この歪みが暗い映像の中で不気味な揺らぎとして映ることがある。
音声も動画ならではの要素だ。廃墟や深夜の森で録音した音声には、風の音、建物のきしみ、虫の声などが混じっている。人間はこうした環境音の中から無意識に「声」を聞き取ろうとする傾向がある。これは音声版のパレイドリアとも言えるもので、「空耳」として知られている現象だ。EVP(エレクトロニック・ボイス・フェノメノン)として心霊調査で取り上げられることも多いが、ランダムノイズの中に意味を見出してしまう脳の特性によるものと考えるのが合理的だろう。
まとめ
心霊写真として騒がれる現象の多くは、カメラの光学特性やちり・ほこり・結露といった物理的な要因で説明がつく。オーブはほこりの反射、光の筋はブレやレンズフレア、人影はパレイドリア——仕組みがわかると、なんだそんなことかと拍子抜けするかもしれない。
ただ、仕組みを知った上で撮影に出かけると、不思議と見え方が変わってくる。「これはほこりだな」「これはレンズフレアだ」と判別できるようになった先に、それでも説明がつかない一枚に出会うかもしれない。その一枚を見つけるために、カメラの特性を理解して、条件を整えて撮影する。心霊写真撮影は、案外カメラの勉強にもなる趣味だ。
19世紀のウィリアム・マムラーから現代のスマートフォンまで、心霊写真の歴史はカメラ技術の歴史でもある。新しいカメラが登場するたびに、新しいタイプの心霊写真が生まれてきた。フィルムの二重露光、デジタルのノイズ、スマートフォンのAI合成——原理は変わっても、人が「見えないもの」に惹かれる気持ちは変わらない。
科学で説明できることと、科学では説明しきれないこと。その境界線の上で写真を撮り続ける。それが心霊写真撮影の、いちばんの醍醐味なのかもしれない。
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写真に写る不思議なものの正体、少しは見えてきたか? 知識があると怖さの質が変わるのが面白いところなんだよな。シンヤでした。また深夜に付き合ってくれよ。
