よう、シンヤだ。今夜はちょっとスケールのでかい話をしようと思ってさ。各国の政府が宇宙についてどこまで知ってて、何を隠してるのか。公式発表の裏に何があるのか、前から気になってたネタなんだよ。夜中にこういう話、最高だろ?
各国政府のUFO情報公開|隠蔽から透明性への転換
「政府はUFOの存在を隠している」――この手の話は昔からずっと言われてきた。陰謀論の定番ネタみたいな扱いだったのが、2020年代に入って空気がガラッと変わった。アメリカ国防総省が正式にUFO(UAP=未確認空中現象)の映像を公開して、しまいには議会で公聴会まで開かれている。あの秘密主義のペンタゴンが、だ。いったい何が起きたのか。
そもそもUFOという言葉自体が、最近では「UAP(Unidentified Aerial Phenomena)」という呼び方に変わりつつある。未確認飛行物体という響きが持つ「宇宙人の乗り物」というイメージを避けて、もっと科学的・中立的な言い回しにしようという意図がある。言葉が変わるだけで印象がずいぶん違う。「UFOを目撃した」と言えばオカルト扱いされるが、「UAPが観測された」と言えば安全保障の話になる。この言い換えひとつが、情報公開の流れを後押しした面もあると思う。
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アメリカのUAP情報公開
2020年のペンタゴン映像公開
2020年4月、米国防総省は海軍パイロットが撮影した3本のUAP映像を正式に公開した。以前から非公式に出回っていた映像だが、政府が「本物です」と認めたのはこれが初めてだった。公開された映像は「FLIR1」「GIMBAL」「GOFAST」の3本。いずれも赤外線カメラで捉えたもので、通常の航空機とは明らかに異なる挙動をする物体が映っている。特に「GIMBAL」の映像では、物体が空中で回転するような動きを見せていて、パイロットたちの驚きの声がそのまま録音されていた。
これらの映像が最初にリークされたのは2017年のことだった。ニューヨーク・タイムズのスクープで、国防総省が秘密裏にUFO調査プログラム(AATIP=先端航空脅威特定計画)を運用していたことが暴露された。年間約2200万ドルの予算が投じられていたという。このプログラムを率いていたルイス・エリゾンドは、辞任後にメディアに登場して「政府内には説明のつかない飛行物体に関する膨大なデータがある」と語った。当時はまだ半信半疑で聞いていた人も多かったが、ペンタゴンが映像を公式に認めたことで空気が一変した。
翌2021年には情報機関が議会に予備報告書を提出している。調査対象となった144件のUAP目撃のうち、正体が判明したのはたった1件。気象観測気球だった。残りの143件は「わからない」のまま報告書は締めくくられた。143件も正体不明のまま残るというのは、冷静に考えるとかなり衝撃的な数字だ。世界最強の軍事力と情報収集能力を持つアメリカが、自国の空で何が飛んでいるのか把握できていない。これが安全保障上の問題として議会が動き出した最大の理由だった。
AARO(全領域異常対策室)の設立
2022年になると、国防総省はさらに踏み込んだ動きを見せる。UAPの調査を専門に行うAARO(All-domain Anomaly Resolution Office)を立ち上げたのだ。専門部署をわざわざ新設するということは、もはやUAPを「気のせい」や「見間違い」で片付ける気がないということでもある。安全保障上のリスクとして、正面から向き合う姿勢に切り替わった。
AAROの調査範囲は空中だけに限らない。名前に「全領域(All-domain)」とある通り、海中や宇宙空間で観測された異常現象も対象に含まれている。実際、海軍の潜水艦ソナーが捕捉した説明のつかない水中移動物体の報告もあるとされている。空を飛ぶだけでなく、水中にも入れるとなると、既存の航空技術の延長では説明が難しくなってくる。
AAROは2024年に大規模な歴史的報告書を公表した。1945年から現在までのUAP関連の政府活動を調査したもので、結論としては「地球外技術を回収・リバースエンジニアリングした証拠は見つからなかった」というものだった。ただし、この報告書自体にも批判がある。元情報機関関係者のデイヴィッド・グラッシュが議会証言で「政府は墜落した非人類起源の機体を保有している」と証言しており、AAROの結論とは真っ向から食い違っている。どちらが正しいのか、現時点では判断材料が足りない。
議会公聴会の衝撃
2023年7月、アメリカ議会で開催されたUAP公聴会は大きな反響を呼んだ。証人として出席したのは、前述のグラッシュ、そして実際にUAPと遭遇した経験を持つ元海軍パイロットのライアン・グレイヴスとデイヴィッド・フレイバー。フレイバーは2004年に空母ニミッツの艦隊付近で遭遇した「チクタク型」のUAPについて詳細に証言した。全長約12メートルの白い楕円形の物体が、推進装置も翼もなく、超高速で移動したという。
グラッシュの証言はさらに踏み込んでいた。「アメリカ政府は数十年にわたり、非人類起源の機体とその搭乗者の遺体を回収するプログラムを運用してきた」と述べた。宣誓のもとでの証言だから、嘘をつけば偽証罪に問われる。もちろん、証言内容が事実かどうかは別問題だ。本人がそう信じているだけかもしれないし、間接的に聞いた情報が誇張されている可能性もある。だが、元情報機関の人間が議会でここまで具体的に語ったというのは前例がない。
この公聴会をきっかけに、超党派のUAP情報公開法案が提出された。チャック・シューマー上院議員が主導した法案で、政府が保有するUAP関連の記録を独立した審査委員会が精査し、可能な限り公開するという内容だった。ただし、最終的には情報機関や国防総省のロビー活動もあり、法案はかなり骨抜きにされた形で成立している。それでも、この問題が政治の場で真剣に議論されるようになったこと自体が、大きな転換点だと思う。
アメリカ以外の国々の動き
フランス――UFO研究の先進国
実はUFO情報の公開という点では、フランスがアメリカよりずっと先を行っていた。フランスには1977年に設立されたGEIPAN(未確認航空宇宙現象研究グループ)という組織がある。フランス国立宇宙研究センター(CNES)の管轄で、UFO目撃報告を科学的に調査する公的機関だ。2007年には調査ファイルをオンラインで一般公開している。アメリカがペンタゴン映像を出す13年も前の話だ。
GEIPANの調査によると、報告された目撃事例のうち約3割が「カテゴリーD」、つまり既知の現象では説明できないケースに分類されている。この数字は意外と多い。もちろん、説明できないからといって宇宙人だと結論づけるわけではないが、フランス政府が「わからないものはわからない」と正直に認めている姿勢は注目に値する。
フランスのアプローチが興味深いのは、軍事的な安全保障の観点だけでなく、純粋に科学的な好奇心からUAPを調査している点だ。GEIPANには科学者や天文学者が参加しており、データの分析手法もアカデミックな基準に沿っている。この「科学として扱う」という姿勢が、フランスではUFO目撃の報告がしやすい雰囲気を作り出している。目撃者が嘲笑を恐れずに通報できるからこそ、質の高いデータが集まるという好循環がある。
イギリス――UFOデスクの閉鎖と情報公開
イギリスの国防省には、かつてUFO報告を受け付ける専門部署があった。通称「UFOデスク」だ。1950年代から運用されていたが、2009年に閉鎖された。理由は「UFO報告の中に、英国の防衛に対する実際の脅威を示すものは見つからなかった」というもの。つまり、軍事的に意味がないからやめた、ということだ。
ただし、閉鎖と同時にイギリス政府はUFO関連の機密文書を大量に公開している。国立公文書館を通じて数千ページに及ぶ資料が閲覧可能になった。その中には、1956年にレイクンヒース空軍基地のレーダーが捉えた高速移動物体の記録や、1980年にレンデルシャムの森で米軍兵士が不思議な光を目撃した事件の調査報告なども含まれている。レンデルシャムの森の事件は「イギリス版ロズウェル」とも呼ばれていて、UFO研究者の間では有名な案件だ。
興味深いのは、イギリス政府が「脅威はない」と判断してUFOデスクを閉じた一方で、2020年代にアメリカが再び本腰を入れ始めたことだ。イギリスもNATOの一員として、アメリカの動きに無関心ではいられない。実際、イギリス国防省内部でもUAP問題の再評価が進んでいるという報道がある。一度閉めた扉を、また開けることになるかもしれない。
ブラジル――軍が公式に認めたUFO事件
南米はUFO目撃の報告が世界でも特に多い地域だ。中でもブラジルは、軍がUFOの存在を公式に認めたケースを持つ珍しい国だ。1986年5月、サンパウロ上空に複数の未確認飛行物体が出現し、ブラジル空軍はF-5戦闘機とミラージュ戦闘機を緊急発進させた。この「ブラジル公式UFO夜」と呼ばれる事件は、当時の航空防衛司令官が記者会見で「我々は正体を特定できなかった」と率直に認めている。
さらに遡ると、1977年にパラー州のコラレス島で起きた「オペラサン・プラート(皿作戦)」がある。住民たちが夜間に上空から光線を浴びせられ、火傷のような痕跡が残るという事件が相次いだ。ブラジル空軍は調査チームを派遣し、約500ページに及ぶ報告書と数百枚の写真を残した。この調査資料は長年機密扱いだったが、2000年代に入って公開されている。光線の正体は結局わからないままだが、調査チームを率いた軍人が後年「あれは地球のテクノロジーではなかった」と語っているのが印象的だ。
チリ――CEFAA、政府機関によるUAP調査
チリには民間航空総局の下にCEFAA(異常航空現象研究委員会)という組織がある。1997年に設立され、パイロットや航空管制官からのUAP目撃報告を体系的に調査している。チリのアプローチの特徴は、航空安全の観点からUAPを扱っている点だ。正体不明の飛行物体が旅客機の航路に入ってくれば、それは安全上の問題になる。当たり前の話だが、この「航空安全」という切り口が、UAPの調査に正当性を与えている。
CEFAAが2014年に撮影した映像は世界的に話題になった。海軍のヘリコプターから赤外線カメラで捉えたもので、高速で移動する物体が何かを空中に放出する様子が映っている。2年間の分析を経ても正体は特定できず、CEFAAは映像を公開して広く専門家の意見を求めた。この「わからないものを隠さない」という姿勢は、情報公開のあり方として理想的だと思う。
日本の立場
日本政府のUFOに対する公式スタンスは、長らく「確認していない」の一言だった。2020年に当時の河野太郎防衛大臣が、自衛隊がUAPに遭遇した場合の対処方針を策定すると発表したが、その後の具体的な動きはあまり伝わってきていない。アメリカの同盟国として情報共有のルートはあるはずだが、日本独自のUAP調査プログラムが存在するという話は聞かない。
ただし、航空自衛隊のパイロットが訓練中に不審な飛行物体を目撃したという報告は過去にもある。公式に認められたものではないが、元パイロットがメディアのインタビューで語ったケースはいくつかある。日本の場合、UFOの話題自体がバラエティ番組のネタという印象が強く、真面目に議論する土壌が育っていないのが実情だ。アメリカのように議会で公聴会を開くような段階にはまだ遠い。
なぜ今、情報公開が進んでいるのか
安全保障上の懸念
情報公開の最大の推進力は、安全保障上の懸念だ。正体不明の飛行物体が軍事施設や核関連施設の上空に出現している。それが中国やロシアのドローンなのか、まったく未知の技術なのか、判断がつかない。どちらにしても放置はできない。
実際、アメリカのUAP目撃報告の多くは、空母打撃群や軍事演習の周辺で発生している。軍の最新鋭のレーダーやセンサーで探知できない、あるいは探知できても追跡できない物体が飛び回っているとなれば、それは技術的な優位性が脅かされていることを意味する。冷戦時代にはソ連のスパイ機を見逃さないことが最優先課題だった。現代では、UAP対策はそれと同じレベルの重要性を持ち始めている。
元関係者の内部告発
情報公開を後押ししたもう一つの要因が、内部告発者の存在だ。前述のルイス・エリゾンドやデイヴィッド・グラッシュのように、元情報機関や国防総省の関係者が声を上げ始めた。彼らが語る内容は刺激的だが、重要なのは彼らが「正規のルート」を通じて告発していることだ。内部告発者保護法に基づいて、まず監察官に報告し、議会の情報委員会にも証言している。隠された情報にアクセスできる立場にいた人間が、法的な保護のもとで証言しているという事実は重い。
もちろん、内部告発者の証言を鵜呑みにするのは危険だ。組織内の政治的な動機がある可能性もあるし、間接的に聞いた情報が誇張される「伝言ゲーム」の問題もある。それでも、複数の独立した告発者が似たような内容を語っているという点は、少なくとも調査に値するだけの一貫性がある。
テクノロジーの進歩と監視社会
スマートフォンのカメラ、ドローン、民間の人工衛星、個人所有のレーダー受信機。技術の民主化によって、空を監視する目が格段に増えた。政府だけが空の情報を独占できる時代は終わりつつある。民間の天文愛好家がイーロン・マスクのスターリンク衛星を追跡しているように、一般市民が高性能な観測機器を手にするようになった。政府が情報を隠し続けることのコストが上がり、公開した方が合理的だという判断に傾いている面もあるだろう。
「宇宙人の証拠」ではない
ただし、ここで冷静になっておきたい。政府がUAPの存在を認めたからといって、「やっぱり宇宙人はいたんだ」という話にはならない。未確認の空中現象が記録されていることと、それが地球外知的生命体の乗り物であることは、まったく別の問題だ。実際、UAPの多くは既知の航空機やドローン、気象現象、あるいはセンサーの誤作動で説明がつく可能性が高いとされている。それでも、どうしても説明できないケースが一定数残っている。そこに科学的な調査を入れる価値がある、というのが現時点での話だ。夢を壊すようだが、「わからない」を「宇宙人」に置き換えてしまうのは、ちょっと気が早い。
考えられる説明
UAPの正体として考えられるものを整理しておく。まず最も可能性が高いのは、他国の先進的な無人機やドローンだ。中国やロシアが開発している次世代の偵察機が、想定外の飛行能力を持っている可能性はある。次に、自国の秘密兵器の可能性。ブラックプロジェクトと呼ばれる極秘の開発計画は、同じ政府内でも知らされていない部署がある。左手が右手のやっていることを知らない、というやつだ。
自然現象という可能性も排除できない。球電(ボールライトニング)のようなまだ完全には解明されていない大気現象が、レーダーに映り込むケースがある。プラズマの塊が特異な動きをすることは実験でも確認されている。さらに、センサーの誤作動やデータ処理のバグという地味だが現実的な原因もある。赤外線カメラの映像は素人には判読が難しく、専門家の間でも解釈が分かれることがある。
そして最後に、本当に既存の科学では説明できない何かという可能性。これが一番刺激的なシナリオだが、同時に最も証拠が求められるシナリオでもある。カール・セーガンの名言を借りれば、「並外れた主張には、並外れた証拠が必要」だ。
科学界の反応
長年、UFOの話題は科学界ではタブーに近かった。研究者がUFOに興味を持っていると公言すれば、キャリアに傷がつくリスクがあった。だが、これも変わりつつある。ハーバード大学のアヴィ・ローブ教授は「ガリレオ・プロジェクト」を立ち上げ、UAPの科学的調査に本格的に取り組んでいる。NASAも2022年にUAP研究の独立チームを発足させ、2023年にはUAP研究のディレクター職を新設した。宇宙機関がUAPの調査に乗り出すというのは、数年前には想像もできなかったことだ。
科学的な調査で重要なのは、再現性のあるデータだ。パイロットの証言や不鮮明な映像だけでは、査読論文にはならない。複数のセンサーで同時に同じ物体を捉え、その運動特性を定量的に分析できるデータが必要になる。ガリレオ・プロジェクトはまさにそうした「科学的に耐えうるデータ」の収集を目指している。屋上に設置した多波長センサーで24時間空を監視するというシステムを構築中だ。
情報公開の先にあるもの
透明性と安全保障のジレンマ
情報公開が進むことは基本的に歓迎すべきことだが、すべてをオープンにできるわけではない。軍のセンサー能力やレーダーの性能は最高機密に属する情報だ。UAPの映像を公開するということは、間接的に自国のセンサー技術のレベルを敵対国に教えることにもなる。このジレンマが、情報公開のスピードにブレーキをかけている。
また、「本当にすべてを公開したのか」という疑問は常につきまとう。公開された情報が氷山の一角に過ぎず、最も重要なデータは依然として機密のままという可能性は十分にある。グラッシュの証言が事実なら、公開されている情報と実際に政府が把握している情報の間には巨大なギャップがあることになる。
国際協力の必要性
UAPは国境を越える現象だ。ある国の上空で目撃されたものが、別の国でも観測されている可能性がある。だが現状では、各国が独自に調査を行っていて、国際的なデータ共有の枠組みはほとんどない。NATOの枠組みで情報共有が始まっているという報道はあるが、中国やロシアを含めたグローバルな協力体制はまだ夢物語だ。
もしUAPが本当に未知の現象であるなら、それは一国だけで解明できる問題ではない。気候変動と同じように、国際的な科学協力が不可欠になる。ただし、各国の軍事機密が絡む以上、協力のハードルは気候変動の比ではない。この点は今後の大きな課題だろう。
社会的インパクト
仮に、将来的に「既知の技術では説明できない知的な起源を持つ物体が確認された」と政府が発表したら、社会にどんな影響があるだろうか。宗教観、哲学、科学、国際関係。あらゆる分野に波及する可能性がある。NASAの主任科学者だったジム・グリーンは「人類はまだその準備ができていない」と語ったことがある。大袈裟かもしれないが、それくらいのインパクトを持つ話題ではある。
ただ、個人的にはもう少し楽観的に見ている。現代人はSF映画やゲームを通じて「地球外知的生命体」という概念に日常的に触れている。いきなりパニックになるというよりは、「やっぱりいたのか」とわりとあっさり受け入れる人が多い気がする。もちろん、実際にその場面が来てみないとわからないけれど。
これまでの主要なUFO事件を振り返る
ロズウェル事件(1947年)
UFO事件の代名詞ともいえるロズウェル。ニューメキシコ州の牧場に何かが墜落し、米軍が残骸を回収した事件だ。軍は当初「空飛ぶ円盤を回収した」とプレスリリースを出したが、すぐに「気象観測気球の残骸だった」と訂正した。1990年代の再調査では、墜落したのは冷戦期のソ連の核実験を探知するための秘密気球プロジェクト「モーグル計画」の機材だったと結論づけられている。ただし、最初のプレスリリースで「空飛ぶ円盤」と言ってしまった事実は消えない。なぜあんな発表をしたのか、本当に気球だけだったのか。疑問は今も残っている。
フェニックスの光(1997年)
1997年3月13日、アリゾナ州フェニックスの夜空に巨大なV字型の光の編隊が出現した。数千人が目撃し、映像も多数残されている。アメリカ空軍は「照明弾の投下訓練だった」と説明したが、目撃者の多くはこの説明に納得していない。照明弾は落下するものだが、目撃された光は水平に移動していたからだ。当時のアリゾナ州知事フィフ・シミントンは最初こそ冗談めかして対応したが、数年後に「自分もあの光を目撃した。あれは説明のつくものではなかった」と告白している。州知事がUFO目撃を認めるというのは、かなり異例のことだ。
ニミッツ事件(2004年)
先ほども触れた空母ニミッツでの遭遇事件。2004年11月、カリフォルニア沖で演習中だった空母打撃群が、2週間にわたって奇妙なレーダー反応を探知していた。調査のためにF/A-18戦闘機が発進し、パイロットのデイヴィッド・フレイバーが「チクタク型」の白い物体と遭遇した。物体は海面すれすれからほぼ瞬時に高度数千メートルまで上昇し、フレイバーの戦闘機の予定合流地点に先回りしていたという。推進装置も排気も見えなかった。複数のレーダーと赤外線カメラがこの物体を捕捉しており、単なる見間違いでは済まないデータが残っている。この事件は、UAP問題が科学的に調査するに値するという議論の出発点になった。
情報を見る時の心構え
最後に、この手の情報に接する時の心構えについて触れておきたい。UFO・UAPの世界は、玉石混交という言葉がぴったりの領域だ。政府の公式文書や査読論文がある一方で、フェイク映像やデマ、金儲け目的のセンセーショナルな主張も山ほどある。大事なのは、興奮しすぎず、かといって頭から否定もせず、「証拠を見せてくれ」という姿勢を保つことだ。
政府の発表にしても、額面通りに受け取るのは危険だ。「脅威はなかった」という結論にも、「脅威があった」という証言にも、それぞれの政治的文脈がある。情報公開は歓迎すべきだが、公開された情報だけが真実のすべてだと思い込むのは甘い。
結局のところ、わからないことをわからないまま保留にしておく力が試されている。人間の脳は不確実性が苦手で、つい何らかの結論に飛びつきたくなる。「全部政府の陰謀だ」も「全部見間違いだ」も、どちらも思考停止だ。答えが出るまでグレーゾーンに留まり続ける忍耐が、このテーマには必要だと思う。
どうだった? 各国の動きを並べてみると、アメリカだけじゃなくて世界中で少しずつ情報が出てきてるのがわかるだろ。フランスはとっくに公開してるし、ブラジルは軍が認めてるし。日本はまだこれからって感じだけどな。宇宙の話は調べれば調べるほど、知らないことが出てくるんだよな。次はもっと具体的な事件を一つ掘り下げてみようと思ってる。ニミッツ事件なんか、データがしっかり残ってるぶん面白いんだ。まだまだ深掘りしたいネタだから、また続きは次の記事で。シンヤでした。